miyo*MIYOKO

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桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

[ストーリー] ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。 1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター"桐島の退部のニュースが校内を駆け巡ったこと。 彼女さえも連絡がとれずその理由を知らされぬまま、退部に大きな影響を受けるバレーボール部の部員たちはもちろんのこと、 桐島と同様に学校内ヒエラルキーの“上"に属する生徒たち、そして直接的には桐島と関係のない“下"に属する生徒まで、 あらゆる部活、クラスの人間関係が静かに変化していく。 校内の人間関係に緊張感が張りつめる中、桐島に一番遠い存在だった“下"に属する映画部前田が動きだし、物語は思わぬ方向へ展開していく。 (2012年8月11日 全国ロードショー)

TSUTAYAの宅配レンタルってえらい高いなー誰が使うんかな―と思っていたんだけど、まさか自分が契約するとは。

自分の身の回りになんでもあるときは全然気にしてなかったけど、身の回りに店も何もない田舎に引っ越したら途端に今までの便利さを実感しました。

 

とてもいい映画だった。

何がいいかって、出てくる人々の生々しさ、高校生独特の虚しさ、無慈悲さがとてもいい。

特に神木くん演じる映画部員は本当に好きだった。自分も映画部員だったので、原作+αの設定がとても小憎い(笑)

原作では岩井俊二が好きだった彼は、映画の中でフィルム撮影にこだわりを持つタランティーノファンで、ロメロを崇拝するゾンビ好きに変わっている。(この辺の匙加減素晴らしい。タランティーノ好きが何人映画部にいたか!私も大好きだけど!笑)眼鏡をあげるあか抜けない仕草。映画秘宝を学校に持ってきて「今月はけっこう頑張ってる」といいながら映画好きの仲間と覗き込む。手作りの血糊を使って、放課後はゾンビ映画作りに精を出す。

映画部員に女子部員はいなくって、剣道部室をカーテンで仕切って間借りして、そんな狭い中にあか抜けないもさっとした少年たちが集まっている。

こういった諸々が本当にうまい。観ていて心が痛くなるくらい(笑)

彼は映画部員という「肩書き」から分かるように「上流」ではない。そこそこ勉強もスポーツもできて、彼女もいるイケメン達からみたら違う世界の「下流」の存在。

だからこそ、ラストシーンで普段縁のないようなメインキャラクターのひとり、イケメンとやりとりする場面が活きてくる。

 

映画部員・前田とイケメンの野球部幽霊部員・宏樹のふたりのシーンがすごくすごくいい。
「将来は映画監督ですか?アカデミー賞?」と聞く宏樹に、答える前田。
何もかも台詞で語ろうとする作品が多い中、素晴らしい脚本と映像でした。

そして、実在感あるそれぞれの俳優さんもまたすごし。